スモールファンとは

スモールファンは一般的にパソコンやプロジェクタ等の情報機器や家電製品、自動車部品の一部として機器に組み込まれ、主に冷却用ファンとして数多く利用されています。

スモールファンはISO10302により規定されており、風量0.6m3/min~60m3/min程度の小型ファンを指します。また、スモールファンの中でも風量0.9m3/min以下のファンをマイクロファンと呼びます。

いっぽうで、スモールファンやマイクロファンは性能、騒音振動の絶対値が小さく、従来の測定法では対応しきれないことが問題になっています。

さらに近年、マイクロファンのサイズながら、数万rpm、1kPa以上の高静圧を生み出すようなファンが、サーバー冷却などの分野で普及しつつあり、これまでの低圧、大風量を前提とした測定規格では対応が困難な状況になっています。

そのため、従来の規格では想定されていない性能を持ったファンに対する新しい測定方法の規格化が急務となっています。

ファン性能の計測

一般的にファン性能の計測はJIS B 8330で風量と静圧(PQ特性)の測定手法が定められており、騒音計測についてはISO10302やJBMS72により定められています。スモールファンやマイクロファンにおいても前述の規格に従い、風量、静圧(PQ特性)はマルチノズル方式、騒音はプレナムを用いて計測を行うのが一般的です。

しかしながら、スモールファンやマイクロファンの一部については、ファンの性能が規格で想定されている範囲から外れるため、規格通りの計測が不可能な場合があります。

これらのファンではファンの性能に応じた計測方法を取る必要があります。

ファンの風量、静圧(PQ特性)計測

ファンの風量、静圧(PQ特性)計測は図のようなマルチノズル方式による計測が一般的な手法です。マルチノズル方式は、複数のノズルを使用することで、広い範囲の風量を高精度に測定することが可能です。

しかしながら、前述の通り、一部ファンでは規格で定められている限界レイノルズ数以下で計測しなければ計測ができない場合もあります。そのため、一部のファン計測ではレイノルズ数による流量係数への影響を考慮して計測を行わなければなりません。

なお、規格で定められているレイノルズ数の範囲外における計測については、当研究会理事による、ターボ機械への記事に掲載されています。

ファンの騒音計測

ファンの騒音計測はプレナムを用いて計測を行います。プレナムはISO10302やJBMS-72によって寸法や材質等が規定されており、プレナムはPQ特性を計測する機能がないため、事前に計測したデータを使用して騒音計測を行います。

また、プレナムは規格で定められている基準寸法(フルサイズプレナム)に対して1/4サイズまでの範囲で、寸法を変更することが許容されています。一般的に、フルサイズ、1/2サイズ、1/4サイズの3種類があり、取り付けられるファンの寸法や性能に適合するプレナムを使用して試験を行います。

試験方法についてもISO10302やJBMS-72で定められており、半球表面の10点で計測を行う方法等(ISO3744、ISO3745等)を用いて計測を行います。